【法改正】運送業許可が5年ごとの更新制へ|2028年までに何が変わるか

これまで一度取れば期限のなかった一般貨物自動車運送事業の許可が、5年ごとの更新制に変わります。

2025年6月に公布された改正貨物自動車運送事業法によるもので、2028年6月までに全面施行される予定です。

「まだ先の話」と思われるかもしれません。しかし更新制の本質は「これまでの5年間が審査される」ことです。つまり、今日からの記録が、次の更新の合否を決めます。この記事では、何がどう変わり、今から何をすべきかを整理します。

目次

なぜ更新制が導入されるのですか?

ひとことで言えば、「許可を取った後」に目を光らせるためです。

これまでの制度は、許可を取る段階の審査は厳しい一方、取ってしまえば期限がありませんでした。その結果、許可取得時の体制が守られていない事業者が一定数存在する、という問題が指摘されてきました。

背景には、いわゆる物流2024年問題があります。ドライバーの労働時間規制が強化される中で、法令を守る事業者が正当に評価される仕組みが必要になった——そうした流れの中での改正です。

更新のとき、何が審査されるのですか?

詳細な基準は今後示されますが、方向性ははっきりしています。法令遵守の状況です。

具体的には、次のような点が確認されると考えられます。

  • 運行管理者・整備管理者が適正に選任され、業務を行っているか
  • 点呼記録簿が正しく作成・保存されているか
  • 運転者の労働時間が基準内に収まっているか
  • 事業報告書・事業実績報告書が毎年提出されているか
  • 行政処分・監査の履歴
  • 営業所・車庫が届出どおりに使われているか

ここが重要な点です。更新の直前に慌てて整えても間に合いません。過去5年分の記録が、そのまま審査対象になるからです。

同時に、こんな改正も進んでいます

今回の改正は更新制だけではありません。段階的に、いくつもの義務が追加されます。

実運送体制管理簿の作成義務

元請事業者は、実際にどの事業者が運んだのかを記録した管理簿を作らなければなりません。真荷主から依頼された貨物の重量が1.5トン以上のものが対象です。

下請けに出した先、そのまた先まで含めて記録します。「誰が運んでいるか分からない」状態をなくすのが狙いです。

多重下請構造の是正

下請けは二次請けまでにとどめる努力義務が課されます。利用運送事業者にも管理規程の作成と責任者の選任が義務づけられます。

無許可事業者への委託禁止

許可を持たない事業者へ運送を委託すること自体が禁止され、違反すれば100万円以下の罰金の対象になります。

これは荷主・元請の側にかかる規制です。今後は取引先の許可の有無を確認しないと、自社が罰則を受けることになります。

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契約書面の交付義務

運送の委託にあたって、書面の交付が義務になります。運送区間、貨物の内容、附帯業務とその対価を明記しなければなりません。

「荷降ろしも手伝ってもらったが、料金は運賃に含んでいる」——こうした曖昧な取引をなくすための規定です。附帯業務には、きちんと対価を書くことになります。

適正原価を下回る運賃の受託禁止

国が適正原価を告示し、それを下回る運賃での受託が禁止されます。安値競争に歯止めをかけ、ドライバーの処遇改善につなげる狙いです。

今から何をすればよいですか?

やることは、実はシンプルです。当たり前のことを、当たり前にやる。それだけです。

1. 点呼記録簿と日報を、今日から正しく付ける

これが最優先です。更新審査で最も見られるのはここです。「後でまとめて書く」は通用しません。記録の日付と内容の整合性は、見る人が見ればすぐ分かります。

2. 事業報告書・事業実績報告書を毎年出す

毎年の提出義務がありますが、出していない事業者が実際にいます。更新制になれば、この未提出が直接響きます。過去に出していない年があれば、今のうちに整理しておくべきです。

3. 届出内容と実態を一致させる

車両を増やしたのに届出をしていない。車庫を移したのに変更認可を取っていない。こうしたズレは、更新のときに必ず表面化します。心当たりがあれば、早めに整えてください。

4. 巡回指導の指摘事項を放置しない

巡回指導で指摘された点をそのままにしていると、記録として残ります。指摘は、改善して初めて意味を持ちます。

これから許可を取る方へ

最初から更新を前提とした体制を作れる——これは実は有利な点です。

すでに何年も営業している事業者は、これまでの記録を遡って整えなければなりません。これから始める方は、1日目から正しい形で運用を始められます。

当事務所では、許可の取得だけでなく、帳簿の様式の提供、巡回指導前のチェック、毎年の事業報告書の作成まで承っています。取得して終わりではなく、続けられる体制づくりまでお手伝いします。

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まとめ

  • 一般貨物の許可が5年ごとの更新制へ。2028年6月までに全面施行
  • 更新審査では過去5年間の法令遵守状況が見られる
  • 直前に慌てても間に合わない。今日からの記録が問われる
  • 同時に実運送体制管理簿、多重下請の是正、無許可業者への委託禁止、契約書面の交付義務が段階的に施行
  • 今やるべきは点呼記録・毎年の報告書・届出と実態の一致・巡回指導の改善の4つ

※法改正の施行時期や運用の詳細は、今後変更される場合があります。最新の情報は国土交通省または神戸運輸監理部にご確認ください。


「うちの帳簿、このままで大丈夫だろうか」

そう思われた時点が、整えはじめる好機です。更新制が本格化してからでは、遡って直せません。

当事務所では、帳簿の点検、巡回指導の事前対策、毎年の報告書作成を承っています。顧問契約(月額22,000円〜)で、日々の疑問にその都度お答えする形もご用意しています。

姫路市を中心に、兵庫県全域で対応しています。ご相談は無料です。

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この記事を書いた人

兵庫県姫路市の行政書士。運送業許可(一般貨物自動車運送事業)、建設業許可、車庫証明を専門としています。兵庫県行政書士会姫路支部所属、登録番号 第19301869号。姫路市を中心に兵庫県全域で対応。車庫や資金の要件判定から丁寧にお手伝いしています。

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