役員法令試験は難しい?2回落ちると申請却下になります

運送業の許可申請でご相談をいただくとき、社長様が一番不安そうな顔をされるのが、この話題です。「試験があると聞いたのですが」。

結論から申し上げます。役員法令試験は、準備すれば通る試験です。ただし、無準備で臨めばまず落ちます。そして2回落ちると、申請そのものが却下されます。それまでの準備、費用、待った時間がすべて無駄になります。

この記事では、試験の中身と、なぜ「条文集を持ち込めるのに落ちる」のかを説明します。

目次

役員法令試験とは何ですか?

一般貨物自動車運送事業の許可を申請すると、申請者側の役員が受ける法令の試験です。運送事業を営むうえで必要な法令知識があるかを確認するために行われます。

出題数30問
合格基準24問以上の正解(8割)
試験時間50分
形式○×式・語群選択式
持ち込み法令の条文集は持ち込み可
再受験不合格の場合、1回だけ
2回不合格申請が却下される

合格基準が8割という点に注目してください。一般的な資格試験は6割前後で合格しますが、この試験は30問中6問しか間違えられません。

誰が受けるのですか?

法人の場合は常勤役員のうち1名、個人事業主の場合は事業主ご本人です。

行政書士が代理で受けることはできません。ここだけは、どうしても社長様ご自身にお願いすることになります。書類の作成も、役所への提出も、補正の対応も代行できますが、この試験だけは代われません。

どのくらい難しいのですか?

難易度そのものは、法律の専門知識を問うような高度なものではありません。条文に書いてあることを、そのまま問う問題がほとんどです。

それでも落ちる方がいるのは、試験の性質を誤解しているからです。

条文集を持ち込めるなら簡単では?

ここが最大の落とし穴です。

持ち込める条文集は、それなりの厚さがあります。出題範囲は次のように多岐にわたります。

  • 貨物自動車運送事業法
  • 貨物自動車運送事業輸送安全規則
  • 貨物自動車運送事業報告規則
  • 道路運送車両法
  • 道路交通法
  • 労働基準法
  • 労働安全衛生法
  • 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
  • 下請代金支払遅延等防止法 など

30問を50分で解きます。1問あたり100秒です。

「どこに何が書いてあるか」を把握していない状態で、この厚さの条文集を1問ずつめくっていたら、10問も解けないうちに時間切れになります。持ち込めることが、かえって油断を生むのです。

つまりこの試験は、知識を問う試験というより、条文集を引く速さを問う試験だとお考えください。

落ちたらどうなりますか?

1回目の不合格——再受験できます。ただし翌月ではなく、もう一度めぐってくる回を待つことになります。その間、審査は進みません。

2回目の不合格——申請そのものが却下されます。

却下されると、また一から申請し直しです。物件の契約、資金の確保、書類の作成、そして数か月の待ち時間。そのすべてをもう一度やることになります。車庫や営業所を先に借りていれば、その間の賃料も出続けます。

「試験くらい何とかなるだろう」——この油断が、最も高くつきます。

いつ実施されるのですか?

許可申請を提出した後に実施されます。日程は運輸局が指定し、通知が届きます。申請すればすぐ受けられるわけではなく、次の実施回まで待つ形になります。

兵庫県の場合、会場は神戸市内です。姫路からは車で1時間ほど。試験時間は50分ですが、受付や説明を含めると半日仕事になります。その日の予定を空けておく必要があります。

具体的な実施日は変わることがありますので、通知が届いたら必ずご確認ください。

どう対策すればよいですか?

やるべきことは、はっきりしています。

1. 条文集に「印」をつけておく

よく出る条文にインデックスを貼り、開いた瞬間にたどり着ける状態にしておきます。これだけで解答速度がまるで変わります。

2. 過去の出題傾向を押さえる

出題される条文には、はっきりとした偏りがあります。輸送安全規則と、点呼・帳簿に関する部分は繰り返し問われます。ここを重点的に押さえるだけで、正解率が大きく上がります。

3. 必ず時間を計って練習する

これが最も大切です。知識があっても、時間内に解けなければ落ちます。50分で30問という感覚を、本番前に体で覚えておいてください。

対策講座をご用意しています

当事務所では、役員法令試験の対策講座を行っています。

  • 出題傾向を整理した独自の対策資料をお渡しします
  • 条文集の「引き方」を、実際の問題を使って練習していただきます
  • 本番と同じ形式の模擬試験を2回、採点・解説つきで行います
  • オンライン(Zoom)対応のため、全国どこからでも受講できます

当事務所に新規許可申請をご依頼いただいた場合、この講座は料金に含まれます。追加費用はいただきません。

また、他の事務所に申請を依頼されている方、ご自身で申請される方も受講いただけます。試験対策だけのご依頼を歓迎しています。

まとめ

  • 30問中24問以上(8割)で合格。間違えられるのは6問だけ
  • 条文集は持ち込めるが、1問100秒。引く速さがすべて
  • 2回不合格で申請却下。一からやり直しになる
  • 受験するのは役員ご本人。代理は認められない
  • 対策はインデックス・出題傾向・時間を計った練習の3つ

「試験が不安で、申請に踏み切れない」——そうおっしゃる社長様は少なくありません。

準備すれば通る試験です。逆に言えば、準備さえすれば、ここは怖がる必要のない場所です。不安なまま本番を迎えないことが何より大切です。

姫路市を中心に、兵庫県全域で運送業許可をお手伝いしています。ご相談は無料。着手金をいただくのは、許可の見込みが立ってからです。

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この記事を書いた人

兵庫県姫路市の行政書士。運送業許可(一般貨物自動車運送事業)、建設業許可、車庫証明を専門としています。兵庫県行政書士会姫路支部所属、登録番号 第19301869号。姫路市を中心に兵庫県全域で対応。車庫や資金の要件判定から丁寧にお手伝いしています。

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